1-2 報告は誰に行うのか

報告は指示した人に行う

 報告は指示した人に対して行います。ただし、指示は複数方向から多重的に行われており留意が必要です。
 例えば、あなたが顧客から質問を受けて回答する場合を考えます。まず、この場合、直接的な指示者は質問をした顧客となります。一方、あなたは担当者として顧客へ対応するよう包括的な指示を上司から受けています。よって、指示者は顧客と上司という二方向あり、その双方への報告が必要となります。

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指示の構図例

二方向への報告

 この例の場合、まず、顧客への報告は、質問への回答というかたちで行います。質問事項に対して、内容の調査、確認を行い、それを回答します。回答によって顧客側の不明点が解消したことが確認できれば、別途完了報告することは通常ありません。(業務の運営ルール上、QA表などが運用されており、回答の了解とQAのクロースが必要であれば、手続きを行います)。これが、質問ではなく、納品のような行為であれば、作業完了報告とともに、検収の依頼を行うことになります。いずれにしても、顧客からの依頼事項を明確にして、それに対して応えを返すことで報告にあてます。
 一方、上司への報告は、顧客対応という包括的な指示に対して行います。その際、指示が包括的なもののため、報告も包括的なものになります。照会事項は誰から何件あったか、何件回答したか、滞留しているものはないか、クレームなどの重要事項はあったかといった全体を網羅できるような報告になるでしょう。もちろん、委任されている権限によって、頻度や粒度は変わってきます。あなたの経験値や、局面の重要度合によっては、個々の詳細なやりとりを逐一報告する場面もあるでしょう。どういった粒度の報告が必要であるかは、指示を受ける際に、申し合わせておく必要があります。

指示、依頼の構図の理解

 例では、上司、顧客の二方向のみとなっていますが、これに加えて、となりのチームや社内の関連部署、関連会社や、連携する社外の外部機関からの指示や依頼に基づいて作業を行うこともあります。いずれの場合であっても、報告は一義的には指示、依頼した人に対して行うものです。関係者として誰がいるのか、関係者間の指示、依頼の構図がどうなっていて、それぞれの指示、依頼の内容がどのようなものであるかを理解したうえで、適切な報告を行うことになります。