1-3 報告はいつ行うのか

報告タイミングの分類

 報告には、事前に定めた時期に計画的に行う報告と、突発での報告があります。
 また、計画的な報告には、イベントを定めたものと、時期を定めたものがあります。(以下、イベントを定めた報告を定点報告、時期を定めた報告を定期報告という)
 定期報告は日報や月次報告のような周期を決めた報告となり、定点報告は仕事の完了報告など、なにかしらの条件を決めた報告となります。突発報告の例は障害報告があげられ、重要と思われる突発的な事象の発生に伴って行うものです。

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報告タイミングの分類

時報告のタイミング

 定時報告のタイミングは、定期として定めた時期によります。会社内、部署内、もしくは、顧客との間で定めたルールがあればそれに従います。
 定期報告の時期、周期をどう設けるかは、管理者がどのように管理していきたいかというスタンスや、作業者へどの程度任せられるかという判断、そのときどきの局面における情報収集と判断の周期などによって変わってきます。細かな手順まで指示したいと考えれば、日次かそれよりも短い周期での報告を受ける必要がありますし、方向性のずれだけを補正すればよいと思えば、週次以上の周期となります。同じ案件であっても、週単位で課題を整理すればよい序盤、中盤と、日単位、時間単位で課題解決が必要な終盤では必要な頻度も変わってきます。

定点報告のタイミング

 定点報告のタイミングについて、仕事が完成した際の報告は必ず行うことになりますが、その中間報告のタイミングをどうするかはケースバイケースになります。会社、部署といった単位であれば、案件を管理・監督するためのルールとして、一定の工程ごとの完了報告を定めていることもあります。一方、個々の作業というレベルで定型的な報告タイミングをルール化するというのは、ほぼないと思います。このため、会社、部署としてのルールは事前に確認しつつ、個々作業に対する中間点での報告が必要であるかどうかは、個別に指示者と申し合わせることになります。

時報告と定点報告の関連

 個々作業の中間報告を申し合わせることについて述べましたが、個別に報告し、それを受けることは手間もかかり、また、報告忘れや見落としも懸念されます。これを回避するために、定時報告を設けて、まとめてその時点の断面報告を受けることにするというのが、定時報告と定点報告の関連となります。

報告タイミングの不明瞭さの問題

 問題となるのは、期限が明確化されずに、いつまでに報告してほしいと相手が思っているかを把握していない状態のときです。そうしたとき、相手は相手のなかの常識のなかで報告が来ることを期待します。そして、往々にしてそのタイミングというのは、あなたが考えるタイミングよりもかなり前に設定されています。その意識のギャップをそのままにして、あなたが報告を行うことで「もっと早く」「もっと頻繁に」という指摘を受けることになります。しかし、指摘を受ければ良い方で、なんとなく仕事がやりづらい相手という印象をもたれる、より悪い結果になることもあります。
 こうしたことを避けるために、期限が明確化されていないときは、速やかに明確化しに行ってください。仮に、相手の期待があなたの予想の半分の期間であっても、待ってもらえる場合もありますし、完了させる水準のハードルを下げることもできます。率直にあなたの都合と相手の都合を提示しあい、調整をすべき事項となります。調整の結果、期限設定があなたの想定よりも短くなることもありますが、相手にあなたの想定を伝え、期限を設定する過程に関与させておくことで、遅れが出たときの指示や支援を引き出しやすくなります(指示した側に何かしらの想定をおかせて、その想定違いを解消することを求めることができる)。仮に、その調整がうまくいかなったとしても、「なぜ、まだ終わってないんだ」といきなり言われるよりも、決めた期限に遅れているというのは、そうなった経過や状況の説明もしようがある、遥かにマシな状態となります。

突発報告のタイミング

 突発報告は突発的な事象が起こったあと、なるべく早いタイミングで報告すべきです。網羅的で正確な情報を整理しようとするあまり、報告が数時間後、次の日、またその次の日となってしまえば、突発報告の意味をなさなくなります。それに加えて、事象が起こったときよりも状況を良くしなければならないという、心理的なプレッシャーもかかってきますので、なにか作戦がある場合を除いて、報告するなら、さっさとするに限ります。同じ理由で、個別に報告するのが面倒だからと、定時報告のタイミングを待って報告するようなことも避けるべきです。
 そもそも、報告において、迅速性、網羅性、正確性の3つを同時に満たすことはできません。なるべく、きちんと話を整理して、突っ込まれどころをなくしてから報告したい気持ちはわかりますが、後に回せば回すほど対応は後手になってしまいます。結果、後回しにしたことのリスクは、情報を握りこんでいるあなたが負ってしまいます。仮に、相手が「そんな中途半端な情報をもってくるな」と怒り出して責任から逃れるタイプの人間であれば、なおさら生煮えの情報であっても押し付けてしまって、聞いたかどうかでいうと聞いたという状態にすべきです。そうしないと、手に負えないリスクだけを負わされてしまい、危なっかしくて仕方がないです。