1-10 相談はいつ行うのか

相談は自由。ただし、効率的なタイミングはある

 相談はしたいときすればよいです。
 そもそも、するしないが自由ですので、このタイミングでこれをしなければいけないといった決まりもありません。ただし、仕事を効率的に進めるための順番はあります。

簡単に答えが出ることから片付ける

 まず、「手段・方法を知る」ことを優先します。
 技術的な内容は、知っているか知らないかというだけの話ですし、自分の努力でどうにかできる要素が少ないです。自分で調べたい場合であっても、どう調べるか、どの辺りを調べればよいかなどは、知っている人を頼って、効率的に済ませてしまい、実際に調べる深さや広さに対して時間をかけられるようにします。また、作業を進めるなかで、新たに「手段・方法を知る」必要がでてくれば、都度、早々に解消させていきます。

自分の頭のなかを整理する

 次に「考えを整理」します。
 なにか資料を作るのであれば、まずは、話の流れや、表にする項目など、構造化した成果物の原案を作成します。ここで躓くようでしたら、指示されたことや思っていることを伝えて、「あなたならどうするか」と頭の良い人に聞いてみましょう。

一度、ひっくり返す

 その後、「アイデアを取り込み」、話を膨らませます。
 別の見方や切り口はないか、わかりづらいところはないか、批判も含めた意見を求めます。
 また、この段階で、一次判断する指示者に対して、「こんなものを作ろうとしているが、イメージはあっているか」と方向性の良し悪しについて相談します。これにより、イメージのすり合わせができるとともに、「障壁を取り除く」こともでき、後々の手戻りをある程度防ぐことができます。

気持ちを安定し、内容と環境を成熟させる

 そして、新しいアイデアを取り込んで「考えを整理」することと、「アイデアを取り込み」ながら「味方を集める」ことを繰り返し、内容と周囲の協力体制を成熟させていきます。
 その過程で、これでよいのかと不安感を抱いたり、こんなことに意味があるのかと決意が揺らぐようなことがあれば、信頼できる人を頼って「気持ちの安定」を図ります。不安や疑念を自己解消できればよいのですが、それができないのであれば、自身のパフォーマンスを維持するために、随時、安定感を補充し、確固たる自分を維持していきます。

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相談の順番

相談を受ける側も自由

 なお、相談が自由であるように、相談を受けることも自由です。このため、いつでも相手の時間を確保できるわけではありません。
 特に味方を増やすために、決定に影響力をもつ人の時間を確保する場合には、多忙な人を相手にすることになるため、なかなか自分の思うようにはなりません。前々で時間を確保するように予定を入れて、その予定に間に合うように作業を進めていく必要があります。
 また、自力ではアクセスできない人に協力を仰ぐときには、アクセスする方法を知っている上席者などに相談して対処することも必要になります。
 そして、相手に時間をかけさせる以上は、無駄なく、相手にとっても有益な時間とすべきです。何が伝えたいのかわからないと言われ、それを説明するのに時間を要し、説明したことだけで満足してしまうような稚拙な時間の使い方は避けるべきです。説明の仕方、資料の内容には十分に配慮し、相談好きの時間泥棒と思われないようにしましょう。